JIS規格アンカーボルト

アンカーボルトとは

アンカーボルトは構造物の基礎部と上屋部を結合する重要な部材です。アンカーボルトの強度が低かったり、品質が悪かったりすると重大な事故につながります。

JIS規格アンカーボルト

2000年に制定された日本鋼構造協会規格(JSS規格)をベースに、2010年にJIS規格が制定されました。

  • JIS B 1220-2010
  • JIS B 1221-2010

このJIS規格を見直して、2015年12月にJIS規格規格が改正されました。改正された内容は以下の通りです。

  • M18の追加(ABER400、ABR490、ABR520SUS)
  • 表面処理の追加
    ABR:溶融亜鉛めっき(HDZ35)、電気めっき
    ABM:電気めっき
  • JIS B 1220、JIS B 1221の2規格をJIS B 1220-2015に統一

株式会社ヤマダでは、材料調達から加工まで全て対応することが可能です。お客様とご相談のうえ、工程を組み、納期管理をしっかりと把握し厳守いたします。

L型、J型、両ネジタイプ、その他色々なタイプにも、形、材質にこだわらず対応させていただきます。

JIS B 1220-2015

記号 ボルトの材質 最小引張強さ
N/mm²
ナットの強度区分 座金の硬さ区分 ねじの加工方法 ねじの種類 サイズ 表面処理
ABR400 炭素鋼 SNR400B 400 5J 200J 転造ねじ メートル並目ねじ M16〜M48 生地
溶融亜鉛めっき
電気めっき
ABR490 SNR490B 490
ABR520SUS ステンレス鋼 SUS304A 520 50
ABM400 炭素鋼 SNR400B 400 5J 200J 切削ねじ メートル細目ねじ M24〜M48 生地
電気めっき
ABM490 炭素鋼 SNR490B 490 M24〜M100
ABM520SUS ステンレス鋼 SUS304A 520 50 メートル並目ねじ M24〜M48

JIS規格アンカーボルトの形状

JIS規格アンカーボルトは両ねじ形状のみです。一方を曲げたもの(JIS B 1178を除く)や、ネジが片側にしかないものはJIS規格アンカーボルトではありません。

両ねじ形状でJIS規格に定めた寸法のアンカーボルトに、指定の丸座金1枚、六角ナット4個を組み合わせたものがJIS規格アンカーボルトとなります。

 

 


JIS規格アンカーボルトの材質

アンカーボルトの材質は、JIS G 3138 建築構造用圧延棒鋼を使用しています。丸座金や六角ナットには強度が定められています。

 

ABR(転造ねじ)とは

転造ねじの作り方は、ねじ山の形をした、転造ダイス2個を回転させ、油を充分にかけながら転造盤の大きな力で材料の丸鋼を押し付けます。ダイスのねじ山部が丸鋼を圧縮してねじの谷部を作り、押して盛り上げた部分でねじの山部をつくります。ファイバー(金属組織の流れ)が山から谷へと連続してつながっているので強度が強くなります。

転造ねじの特長は、切削ねじと比べ強度が強く(5〜20%)、伸びが大きいことです(約20%)。強度はねじの有効径で決まるので、ねじ精度が良く、ねじ表面が滑らかで加工時間も早く量産向きで、M16〜M48の小中サイズのねじには理想的です。

 


ABM(切削ねじ)とは

切削ねじの作り方は、ねじの山径より大きな丸鋼か、ねじ山形状の刃物のどちらかを回転させ、油をかけながら丸鋼から削ってねじを製作するので、ファイバーは切断されてしまい、やや弱くなります。

切削ねじの強度はねじの谷径で決まるので、転造ねじに比較して強度が5〜20%小さくなります。また、軸径は大きいですが、ねじの谷径は小さいので、アンカーボルトのねじ部が伸びて切れる(伸びは転造ねじの約1/2〜1/4)ので、降伏比の小さな材料を使用し、さらに細目ねじ(ピッチ小、谷径やや大)として伸び5%を確保しています。ただし、ねじ加工機、刃物が安価で少量生産向きです。また材料が市場で容易に入手でき、降伏比小の物であればよいのでM48を超える太物には有効です。

 


引張試験測定値グラフ

材質:SNR400B

材質:SNR490B


構造用両ねじアンカーボルトセットABR400/ABR490(JIS B 1220-2015)

構造用両ねじアンカーボルトセットABR400/ABR490(JIS B 1220-2015)図面

ABR400用ボルト、ABR490用ボルト及びABR520SUS用ボルトの寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
ねじのピッチ
(p)

軸部径(ds) ※1

長さ(lt) ※3 ねじ部長さ ※3
基準寸法 最大 最小 最大偏径差 ※2 最小 許容差 最小 許容差
M16 2.0 14.54 14.66 14.41 0.29 400 +10
0
48 +8
0
M18 2.5 16.20 16.33 16.07 0.29 450 54
M20 2.5 18.20 18.33 18.07

0.30

500 60
M22 2.5 20.20 20.33 20.07 0.30 550 66
M24 3.0 21.85 22.00 21.69 0.36 600 72 +10
0
M27 3.0 24.85 25.00 24.69 0.36 675 81
M30 3.5 27.51 27.67 27.34 0.38 750 90
M33 3.5 30.51 30.67 30.34 0.38 825 99
M36 4.0 33.17 33.34 32.99 0.40 900 108 +13
0
M39 4.0 36.17 36.34 35.99 0.40 975 117
M42 4.5 38.83 39.01 38.64 0.43 1,050

+20
0

126
M45 4.5 41.83 42.01 41.64 0.43 1,125 135
M48 5.0 44.48 44.68 44.28 0.46 1,200 144

※1) 軸部径(ds)は、同一断面における対辺距離の最大値と最小値とを算術平均した値で表し、その平均値がこの表の最大以下、最小以上でなければならない。

※2) 軸部径(ds)の最大径差は、同一断面における対辺距離の最大値と最小値との差で表す。

※3) 長さ(lt)及びねじ部長さ(b)は、それぞれ25d以上及び3d以上で、また軸部長さ(ls)は、15d以上でなければならない。長さ及びねじ部長さの許容差は、この表の規定に適合しなければならない。

ナットの寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
ねじのピッチ(p) ナットの高さ(m) ナットの二面幅(s) 対角距離(e)
並目 細目 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 参考
M16 2.0 13 ±0.9 24 0
-0.8
27.7
M18 2.5 15 27 31.2
M20 2.5 16 30 34.6
M22 2.5 18 32 0
-1
37.0
M24 3.0 2.0 19 ±1.0 36 41.6
M27 3.0 2.0 22 41 47.3
M30 3.5 2.0 24 46 53.1
M33 3.5 2.0 26 50 57.7
M36 4.0 3.0 29 55 0
-1.2
63.5
M39 4.0 3.0 31 60 69.3
M42 4.5 3.0 34 ±1.2 65 75.0
M45 4.5 4.0 36 70 80.8
M48 5.0 4.0 38 75 86.5

座金の寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
座金の内径(d) 座金の外径(D) 座金の厚さ(t) ※a
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
M16 18 +0.8
0
32 0
-1.0
4.5
(5)
±0.5
M18 20 36
M20 22 40
M22 24 44 6 ±0.7
M24 26 48
M27 30 56
M30 33 +1.0
0
60 0
-1.2
8
M33 36 63
M36 39 66
M39 42 72
M42 45 78
M45 48 85 0
-1.4
M48 52 +1.2
0
92

※a) 座金の厚さの括弧内の数値は、ステンレス銅製座金の場合の値

ABR400及びABR520SUSの引張降伏耐力

ねじの呼び
(d)
基準軸径(mm) 軸部断面積(mm²) ねじ部有効断面積(mm²) 引張降伏耐力(kN)
ねじ部引張降伏耐力 軸部引張降伏耐力(参考値)
M16 14.54 166 157 36.9以上 39.0以上
M18 16.20 206 192 45.1以上 48.4以上
M20 18.20 260 245 57.6以上 61.1以上
M22 20.20 320 303 71.2以上 75.2以上
M24 21.85 375 353 83.0以上 88.1以上
M27 24.85 485 459 108以上 114以上
M30 27.51 594 561 132以上 140以上
M33 30.51 731 694 163以上 172以上
M36 33.17 864 817 192以上 203以上
M39 36.17 1,030 976 229以上 242以上
M42 38.83 1,180 1,120 263以上 277以上
M45 41.83 1,370 1,310 282(308)以上 ※a 295(322)以上 ※a
M48 44.48 1,550 1,470 316(345)以上 ※a 333(364)以上 ※a

※a) 引張降伏耐力の括弧内の数値は、ABM520SUSの場合の値を示す。

ABR490の引張降伏耐力

ねじの呼び
(d)
基準軸径(mm) 軸部断面積(mm²) ねじ部有効断面積(mm²) 引張降伏耐力(kN)
ねじ部引張降伏耐力 軸部引張降伏耐力(参考値)
M16 14.54 166 157 51.0以上 54.0以上
M18 16.20 206 192 62.4以上 67.0以上
M20 18.20 260 245 79.6以上 84.5以上
M22 20.20 320 303 98.5以上 104以上
M24 21.85 375 353 115以上 122以上
M27 24.85 485 459 149以上 158以上
M30 27.51 594 561 182以上 193以上
M33 30.51 731 694 226以上 238以上
M36 33.17 864 817 266以上 281以上
M39 36.17 1,030 976 317以上 335以上
M42 38.83 1,180 1,120 364以上

384以上

M45 41.83 1,370 1,310 386以上 404以上
M48 44.48 1,550 1,470 434以上 457以上

構造用両ねじアンカーボルトセットABM400/ABM490(JIS B 1220-2015)

構造用両ねじアンカーボルトセットABM400/ABM490(JIS B 1220-2015)

ABM400用ボルト、ABM490用ボルト及びABM520SUS用ボルトの寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
ねじのピッチ
(p)

軸部径(ds) ※1

長さ(lt) ※3 ねじ部長さ ※3
基準寸法 最大 最小 最大偏径差 ※2 最小 許容差 最小 許容差
M24 2.0(3.0) 24.0 24.3 23.7 0.4 600 +10
0
72 +10
0
M27 2.0(3.0) 27.0 27.3 26.7 675 81
M30 2.0(3.5) 30.0 30.3 29.7 750 90
M33 2.0(3.5) 33.0 33.3 32.7 825 99
M36 3.0(4.0) 36.0 36.5 35.6 0.5 900 108 +13
0
M39 3.0(4.0) 39.0 39.5 38.6 975 117
M42 3.0(4.5) 42.0 42.5 41.6 1,050

+20
0

126
M45 4.0(4.5) 45.0 45.5 44.5 0.6 1,125 135
M48 4.0(5.0) 48.0 48.5 47.5 1,200 144
M52 4.0 52.0 52.5 51.5 1,300 156
M56 4.0 56.0 56.5 55.5 1,400 168
M60 4.0 60.0 60.5 59.5 1,500 180
M64 4.0 64.0 64.5 63.5 1,600 192
M68 4.0 68.0 68.5 67.5 1,700 204
M72 6.0 72.0 73.0 71.4 0.8 1,800 +20
0
216 +13
0
M76 6.0 76.0 77.0 75.4 1,900 228
M80 6.0 80.0 81.0 79.4 2,000 240
M85 6.0 85.0 86.0 84.4 2,125 255
M90 6.0 90.0 91.0 89.4 2,250 270
M95 6.0 95.0 96.0 94.4 2.375 285
M100 6.0 100 101 99.4 2,500 300

※1) 軸部径(ds)は、同一断面における対辺距離の最大値と最小値とを算術平均した値で表し、その平均値がこの表の最大以下、最小以上でなければならない。

※2) 軸部径(ds)の最大径差は、同一断面における対辺距離の最大値と最小値との差で表す。

※3) 長さ(lt)及びねじ部長さ(b)は、それぞれ25d以上及び3d以上で、また軸部長さ(ls)は、15d以上でなければならない。長さ及びねじ部長さの許容差は、この表の規定に適合しなければならない。

※4) 括弧内の数値は、ABM520SUSに対する値を示す。

ナットの寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
ねじのピッチ(p) ナットの高さ(m) ナットの二面幅(s) 対角距離(e)
並目 細目 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 参考
M24 3.0 2.0 19 ±1.0 36 0
-1
41.6
M27 3.0 2.0 22 41 47.3
M30 3.5 2.0 24 46 53.1
M33 3.5 2.0 26 50 57.7
M36 4.0 3.0 29 55 0
-1.2
63.5
M39 4.0 3.0 31 ±1.2

 

60 69.3
M42 4.5 3.0 34 65 75.0
M45 4.5 4.0 36 70 80.8
M48 5.0 4.0 38 75 86.5
M52 5.0 4.0 42 80 92.4
M56 5.5 4.0 45 85 0
-1.4
98.1
M60 5.5 4.0 48 90 104
M64 6.0 4.0 51 ±1.5 95 110
M68 6.0 4.0 54 100 115
M72 6.0 58 105 121
M76 6.0 61 110 127
M80 6.0 64 115 133
M85 6.0 68 120 139
M90 6.0 72 130 0
-1.6
150
M95 6.0 76 135 156
M100 6.0 80 140 167

座金の寸法

単位:mm

ねじの呼び
(d)
座金の内径(d) 座金の外径(D) 座金の厚さ(t) ※a
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
M24 26 +0.8
0
48 0
-1.0
6 ±0.7
M27 30 56
M30 33 +1.0
0
60 0
-1.2
8
M33 36 63
M36 39 66
M39 42 72
M42 45 78
M45 48 85 0
-1.4
M48 52 +1.2
0
92
M52 56 98
M56 60 +3.0
0
105 0
-3.0
9 ±1.0
M60 64 110
M64 68 115
M68 72 120 12 ±1.4
M72 76 125
M76 80 135
M80 84 140
M85 89 145
M90 94 160
M95 99 165
M100 104 170 13

ABM400及びABM520SUSの引張降伏耐力

ねじの呼び
(d)
基準軸径(mm) 軸部断面積(mm²) ねじ部有効断面積(mm²) 引張降伏耐力(kN)
ねじ部引張降伏耐力 軸部引張降伏耐力(参考値)
M24 24 452 384(353) 90.2(83.0)以上 160以上
M27 27 573 496(459) 117(108)以上 135以上
M30 30 707 621(561) 146(132)以上 166以上
M33 33 855 761(694) 179(163)以上 201以上
M36 36 1,020 865(817) 203(192)以上 240以上
M39 39 1,190 1,030(976) 242(229)以上 280以上
M42 42 1,390 1,210(1,120) 260(263)以上 299(327)以上
M45 45 1,590 1,340(1,310) 288(308)以上 342(374)以上
M48 48 1,810 1,540(1,470) 331(345)以上 389(425)以上

※a) 引張降伏耐力の括弧内の数値は、ABM520SUSの場合の値を示す。

ABM490の引張降伏耐力

ねじの呼び
(d)
基準軸径(mm) 軸部断面積(mm²) ねじ部有効断面積(mm²) 引張降伏耐力(kN)
ねじ部引張降伏耐力 軸部引張降伏耐力(参考値)
M24 24 452 384 125以上 147以上
M27 27 573 496 161以上 186以上
M30 30 707 621 202以上 230以上
M33 33 855 761 247以上 278以上
M36 36 1,020 865 281以上 332以上
M39 39 1,190 1,030 335以上 387以上
M42 42 1,390 1,210 357以上 410以上
M45 45 1,590 1,340 395以上 469以上
M48 48 1,810 1,540 454以上 534以上
M52 52 2,120 1,820 537以上 625以上
M56 56 2,460 2,140 631以上

726以上

M60 60 2,830 2,480 732以上 835以上
M64 64 3,220 2,850 841以上 950以上
M68 68 3,630 3,240 956以上 1,070以上
M72 72 4,070 3,460 1,020以上 1,200以上
M76 76 4,540 3,890 1,150以上 1,340以上
M80 80 5,030 4,340 1,280以上 1,480以上
M85 85 5,670 4,950 1,460以上 1,670以上
M90 90 6,360 5,590 1,650以上 1,880以上
M95 95 7,090 6,270 1,850以上 2,090以上
M100 100 7,850 6,990 2,060以上 2,320以上

テンプレート

テンプレート図面

※ アンカープラン・柱脚リストまたはご指示等により製作いたします。

定着版

定着版図面

素材:G3101 SS400

推奨サイズ表

ボルト径

丸型

四角型
外径(D) 内径(d) 厚さ(t) 外径(D) 内径(d) 厚さ(t)
標準寸法 許容差 標準寸法 許容差 標準寸法 許容差 標準寸法 許容差 標準寸法 許容差 標準寸法 許容差
M16 48 ±1.0 18 ±1.0 10 ±1.0 50 ±1.0 18 ±1.0 9 ±0.0
M18 60 22 13 55 20 10
M20 60 22 12
M22 72 26 15 70 24
M24 75 26 16 ±0.0
M27 91 32 17 90 29
M30 100 32
M33 102 38 20 35 19
M36 110 38
M39 120 ±2.0 45 ±2.0 24 ±2.0 120 ±2.0 41 ±2.0 22
M42 44
M45 140 51 125 48
M48 150 51
M52 160 59 27 55
M56 59 25 ±0.7
M60 180 67 31 155 63 28
M64 165 67
M68 190 ±3.0 76 ±3.0 34 176 ±3.0 71 ±3.0 32
M72 186 76
M76 210 84 42 196 80 36
M80 206 84 40 ±0.8
M85 240 94 47 219 89
M90 232 94 45
M95 260 104 52 244 99 50
M100 257 104

アンカーフレーム・アンカー施工

アンカーフレーム写真

各種アンカーフレームを製作いたします。ご相談いただく地域により施工も承りますので、お問合せください。

※施工に関しましては、現場状況等を確認、協議したうえで施工いたします。

アンカー施工写真

※アンカーフレーム製作依頼には基礎高、柱脚形状抗の有無等の詳細なデータが必要です。(アンカープラン図、基礎伏図、基礎商材図等)


JIS規格アンカーボルトについてのお問合せ

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